“未完の大器”セレッソ杉本にW杯最終予選1トップ抜擢の目
日本代表経験ゼロの点取り屋が、ハリルホジッチ監督の孝行息子になるかもしれない。Jで首位を走るC大阪のエースFW杉本健勇(24)だ。
長らく「未完の大器」と呼ばれてきた。身長187センチ、体重79キロのフィジカルを誇り、高い打点のヘディングシュートは威力十分。足元のテクニックも高く、スピードに乗ったドリブル突破も迫力がある。「高い」「速い」「うまい」の三拍子そろったストライカーとして12年ロンドン五輪代表に「最年少の19歳」で選ばれた。しかし不完全燃焼に終わった。6試合中4試合に出場して先発は1試合だけ。ノーゴールに終わって決定力不足の烙印を押された。
■C大阪新指揮官と好相性
「いくらポテンシャルは高くても、これまではフィニッシュの際のツメが甘く、ゴールという結果につながらなかった。今季からC大阪の指揮を執るユン・ジョンファン元鳥栖監督は、まずは前線のターゲットにボールを当てるカウンターサッカーを志向し、これが1トップを任された杉本にフィットした。昨季はトップ下や中盤のサイドなどで起用されることもあったが、今季は『ゴールを狙うことに専念できる』ポジションを与えられ、これで杉本の潜在能力が開花した」(サッカージャーナリスト・六川亨氏)