智弁和歌山37年指揮 高嶋仁監督に聞く勇退報道と後継者
――中谷コーチが来て変わりました?
「変わってきましたね。彼が実際、プロで経験したことを教えています。たまにピッチャーの球を受けて『田中マー君とええ勝負するぞ』と言われたら、気分も乗ってきますやん。それは僕が真似できんところです。あとはプロがやっているトレーニングを取り入れたりね。そういうのを見て、年寄りがやっとったらあかんなという気になります。ずっと『いつ辞めさせてくれんねん』という感じでやってきた。気力はあるけど、もう70(歳)越えたら体力がね。だんだん欲もなくなってきた。今までは(甲子園の通算)最多勝とか目標があった。それも達成してもうええと思ったら、(春夏合わせた)監督単独での甲子園出場記録があると言われて。福井商業の北野(尚文=元)監督の36回だと。今回それに並んで。キリがないです。俺かて野球の後の人生がある」
――もし勇退したらやりたいことは?
「ノルウェーとアフリカに行きたいね、家内と2人で。嫁さん孝行せんと、野球も落ち着いてできへん。どこの監督もそうでしょうね。だから、若い監督には『嫁さん孝行せえよ』と言ってます」