智弁和歌山37年指揮 高嶋仁監督に聞く勇退報道と後継者
――学校に掛け合わないんですか?
「掛け合ってもしゃあない。それで今までやってきたから」
――潮目が変わった原因は?
「母子家庭が増えてきたのは、感じています。絶対にうちなんか来ませんよ、お金がいりますから。これから野球が強くなるのは大阪桐蔭みたいにトップチームをつくれる学校。これまでは、何とか引っぱたいてシゴキまくってきたけど、今はそんなんできない。手出したらいかんと聞いていたから、(08年に)足出したら、3カ月謹慎。まあ、その蹴飛ばしたやつ(岡田俊哉)は今、中日で投げとるけど」
――いわゆる鉄拳制裁はできないご時世ですよね。
「もう、変わらないかんなとは思ってるんですけど、僕も昔の人間ですから、ついバッと言うてしまう。だから、もう指導者が若いのに代わらないかんですね。(選手の年代が)もう孫ですから。(大阪桐蔭の)西谷(浩一)監督と話していると、自分とはちょっと違うなと思う。彼は選手のハートの部分をうまくつかんで、失敗しても怒らずアドバイスをする。僕らは『あかん、やり直せ!』という感じですから。ホンマにええ指導者になったなと。せめて“夜”は負けたらあかんと思って、この前の抽選会後、(明徳義塾の)馬淵(史郎)監督と西谷と食事に行って、ボロカスに西谷を“口撃”しましたけどね(笑い)」