連夜のサヨナラ負けでV絶望的も 阪神の4番争い終わらず
ベンチには「終戦ムード」が漂った。
広島と阪神の首位攻防戦は2試合連続で広島がサヨナラ勝ち。3連勝を狙った阪神はゲーム差が8・5まで広がり、奇跡の逆転優勝は遠のいた。こうなれば、何としても2位を死守してCSに臨みたいところだが、チーム内には終わっていない「戦い」がある。
金本監督は9月1日の中日戦で、1年目の大山悠輔(22)をスタメンの4番に抜擢。ドラフト制以降の新人では球団史上初となる4番はいきなり先制打を放つと、翌日はホームラン(6号)も打った。ここまで5試合連続で4番に座り、20打数5安打3打点。
大山の4番に内心おもしろくないのが、金本監督から「30本以上は打てる」と言われている5番の中谷将大(24)だろう。今季ブレークした高卒7年目の外野手はこの日、先制の19号ソロ弾を左翼席にブチ込むと、「4番はオレだ」と言わんばかりに得意顔でダイヤモンドを回っていた。
阪神OBが言う。
「現状でいえば、4番にふさわしいのはパワーで勝る中谷だと思う。金本監督も中谷に打たせてもいいと考えている。1年目の大山を4番で起用しているのは、大きく育てるために重圧のかかる役割を与えているのでしょう。阪神の内野手で4番といえば、広島に戻った新井を思い出すが、彼は外様だった。ファンにとっては掛布(現二軍監督)の印象が強い。でも、それは30年も昔の話。大山はいずれ三塁を守る。三塁手で4番というのはやはり絵になる。大山が今季2ケタ打てば、来季も4番で使って欲しいね」
右の大砲を育てたい金本監督の決断やいかに……。