金本流でもうひと皮…阪神オフの補強はやっぱりFA中田翔
18日、広島の緒方監督が宙に舞う姿を目の当たりにした金本監督の胸中は、さぞかし複雑だったに違いない。
田中、菊池、丸……生え抜きの若手たちが打って走って得点を重ね、リーグ2連覇。ドラフトと育成を重視する古巣のチームづくりは、金本監督が理想とするところでもあるからだ。
くしくも同日は7年目の中谷将大(24)が自身初の20本塁打をマークした。金本監督がこの中谷を含めた若手にキャンプから猛練習やウエートトレーニングを課した成果には違いない。
■「エースと4番は育てるものではない」
その金本監督は中谷に関して「取り組む姿勢を変えれば、もっとやれるはず。そこは彼次第」と言った。中谷自身が意識を変えれば、いま以上の打者に成長するということだろうが、だからといって中谷以下、阪神の若手が意識改革や猛練習によって、ケガで離脱中の広島・鈴木誠也(23)のような三拍子そろった4番打者に育つかといえば疑問と言わざるを得ない。
かつて阪神の指揮を執った野村克也氏は、「エースと4番は育てるものではない」と言った。投打の柱になるような選手は育てようと思ってできるものではない。チームにいなければドラフトやFA、外国人に頼るしかないとオーナーに補強を懇願した。つまり意識改革や猛練習によって、ある程度のレベルには達しても、エースや4番クラスは本人の先天的な能力が重要になるということだ。