高梨はドラ9 楽天でドラフト下位指名選手が活躍する理由
「(星野)副会長が(フロントに)来てから、『担当エリア外の情報を他人事にしない』『その年のテーマを明確化する』『立場の垣根を越えて何でも話す』ということを徹底するようになりました。ドラフト前日は8時間以上のミーティング。そこには副会長も(スカウト部長の)長島(哲郎)さんもいるけど、立場に関係なく意見を交わして、時にはトレーナーを呼んでケガについて聞きながら議論することもあります。どこの球団もやることかもしれないけど、スカウトがやるべきことは『スカウト』だけではない、という意識を持つようになったのが大きい。ドラフトでは、病気やケガがないか、というのが一番の不安要素。ただ、すぐ『取らない』とは決めつけない」
その典型が茂木だ。早大2年の秋、持病の不整脈が悪化して手術をした。これが他球団に敬遠されて3位まで残った理由といわれるが、安部井本部長は「それがプロ入り後に乗り越えられるレベルならば候補になる」と話す。
14年オフには育成部とスカウト部の人材を増員。16年からは二軍に残留する若手の試合機会を増やすべく、独立リーグやソフトバンクの三軍との育成試合を開催している。
スカウティングに加え、育成にも力を入れたことが実を結びつつあるようだ。