金星配給もカヤの外…日馬富士に救われた稀勢の里の幸運

公開日: 更新日:

 最多タイ記録にリーチ――と言っても、本人は喜ばないだろうが……。

 もはや事件でもニュースでもなくなった横綱稀勢の里(31)の敗戦。19日も、また負けた。

 相手は6勝1敗と波に乗る平幕の逸ノ城。稀勢の里は立ち合いからの左差しを狙うも踏み込みが弱く、逸ノ城に右をしっかり固められると手も足も出ない。ぐいぐいと攻めてくる相手に力なく土俵を割った。支度部屋では報道陣の問い掛けに一切答えず、無言のまま会場を後にした。

 初日の玉鷲戦から数えて、今場所だけで4個目の金星配給。1場所の金星最多配給は、2001年の武蔵丸(現武蔵川親方)が記録した5個だ。稀勢の里はそんなワースト記録に、あと1つと迫ったのだ。

 こうなると当然、「横綱の責任」といった批判は避けられない。

 しかし、稀勢の里にとって幸運とも言えるのが、角界を巻き込んだ日馬富士の暴行事件だろう。発覚当初は現役横綱による暴力沙汰という報道だったが、いまや焦点は貴乃花親方(元横綱)の不可解な言動にある。事は「第3次貴の乱」の様相を呈しており、日本人横綱が金星を配給し続けていることは二の次、三の次だ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…