金星配給もカヤの外…日馬富士に救われた稀勢の里の幸運
「横綱の責任」という点でも稀勢の里の存在はかすんでしまう。確かに弱い横綱は罪かもしれないが、警察沙汰になっている日馬富士とは比べものにならない。相撲協会も場所後は事件に関わりのある力士たちの事情聴取を行わなければならず、稀勢の里に構っているヒマなどない。
このまま皆勤、負け越しでも、次の1月場所にはしれっとした顔で出場していそうな稀勢の里だが、もちろん、事件が収拾した後は話が別だ。
左上腕と左胸を負傷した3月場所から、すでに半年以上経っている。ケガを言い訳にできる時期はとっくに過ぎた。さらに先場所は全休と、体調を整える時間はたっぷりあった。
この日は対戦相手の逸ノ城にも、「いつもの横綱じゃない。ああいう形で勝つとは思わなかった」とクビをひねられる始末だ。
今場所は角界の不祥事に救われたようなものだが、この調子では引退は時間の問題か。