葛西のソチ金阻んだストッフが世界トップ維持する理由
開幕前日に始まったノルディックスキー・ジャンプ男子ノーマルヒル(NH=K点98メートル、ヒルサイズ109メートル)予選。57人がエントリーし、上位50人が10日の本戦に進んだ。日本人単独最多8度目の五輪代表となった葛西紀明(45)は37番目に飛び20位。小林兄弟の兄・潤志郎(26)は18位、弟・陵侑(21)は21位、伊東大貴(32)31位。当然だが、日本勢は4人とも予選突破を決めた。
「今回も目標は金メダル」といって現地入りした葛西は、前回のソチ五輪ではラージヒル(LH)団体で銅、個人LH銀を獲得。LHの金は、NHでも優勝したカミル・ストッフ(30=ポーランド)に阻まれた。
ソチで史上3人目の個人種目2冠を達成したストッフは、同シーズンでW杯総合優勝も成し遂げ、今季も現在、個人総合でトップにいる。今大会も優勝候補の筆頭だ。
実はストッフの「師匠」は葛西の友人でもあるアダム・マリシュ(40)。W杯通算39勝、個人総合優勝4回、五輪で銀3、銅1、世界選手権金4のポーランドの英雄だ。現在は母国のノルディックスキーのコーディネーターを務めている。チームにはヘッドコーチはいるが若手らにとってアダムは精神的支柱で、有能な指導者でもある。欧州のメディア関係者が言う。