彦根東が掲げる「文武同道」の真意とは 村中監督に聞いた
28日に登場する彦根東(滋賀)は毎年、東大、京大などの国公立大に200人ほどの合格者を出す県内有数の進学校ながら、初戦を突破した昨夏に続いて2季連続出場だ。指揮を執る村中隆之監督(49=国語科教諭)は「公立校は選手を集められない。育てるしかない」と話す。
■「HOW」ではなく「WHAT」
――野球と勉強を両立するため、どう工夫しているのか。
「工夫より『何をするか』を大事にしています。『HOW』ではなくて『WHAT』の方です。彦根東高校は甲子園に行く、と決めるなら、甲子園って一体何なのかという実態を知っておかないと。09年春に21世紀枠で選んでいただいた後、何をしているチームが甲子園に行っているのか。私自身が具体的につかんだのはあると思います」
――甲子園常連校との違いは何か。何をつかんだというのか。
「一番は体づくりですね。進学校と強豪校では圧倒的な体格の差があります。ウチの場合、練習は3時間。勉強量も多い。栄養はまず頭に行くんです。他の高校生と同じ量を摂取しても、体に回る分が少ないと思います。なので体をつくるための食事に取り組み始めました。甲子園に出た13年夏、17年夏、出られなかった年のデータも含め立命館大学さんに蓄積しています。宿舎にも栄養士さんに来ていただいていますが、具体的に体重をどれくらい増やすのかをモデルとして示す。それぞれ目標値があって、そこに向かって体をつくっていく。ただ食べればいいわけではなく、何をどのようにどのタイミングで食べるのかを意識しながらやっています」