女子レスリングパワハラ騒動 栄強化部長の“逆襲”が始まる
女子レスリングのパワハラ騒動が進展しそうだ。
五輪4連覇の伊調馨(33)に対し、練習場からの締め出しなど数々の疑惑が浮上している日本レスリング協会の栄和人強化本部長(57)が早ければ、近日中にも内閣府の聞き取り調査に応じるという。
栄氏は一連の報道の影響から心身衰弱でダウン。17~18日の女子W杯(高崎)も指揮を執らず、自宅療養を続けていたが、体調は回復しているとみられる。
レスリング関係者が内閣府に提出した告発状によれば、栄氏は伊調が信頼を寄せていた田南部力氏(ロンドン五輪日本代表男子コーチ)に指導をやめるよう、不当な圧力をかけた。さらに栄氏によって、田南部氏は日本代表から外され、所属する警視庁第6機動隊レスリング部も追われたとされている。
聞き取り調査では伊調の指導者に対するパワハラが焦点になるとみられるが、栄氏には反論材料があるというのだ。
さるレスリング関係者がこう明かす。
「ロンドン五輪後、協会が田南部氏の代表コーチを解任したのは、伊調への嫌がらせではなく、単なる指導力不足に過ぎない。当時、警視庁の軽量級にはロンドンでのメダルを有力視された選手がいながら、田南部氏は出場させることすらできなかった。選手が伸び悩んだこともあるが、当時の警視庁でも、田南部氏の指導力を疑問視する声があったのも事実です。決して伊調への嫌がらせではなかった」
伊調が警視庁の道場で練習できなくなったのも、田南部氏が同レスリング部を離れたためだった。当時は田南部氏がいなければ、女子を指導できるコーチも不在だった。
すでに伊調は聞き取り調査に応じているが、今後は栄氏の「逆襲」が始まるか。