2戦KO後は好調 巨人菅野の復活に斎藤コーチの「鶴の一声」
開幕から立て続けに5失点し、2連敗スタートを切った巨人の菅野智之(28)。しかし、その後は完封勝利を含む3連勝。先発した4日のDeNA戦も8回を117球、2安打無失点と好投したが、味方の援護がなく、勝ち星はつかなかった。それでも18イニング連続無失点で、6.43でスタートした防御率をリーグ3位の2.30(4日現在)まで下げてきた。
何事もなかったように好投を続ける菅野。あの2試合の乱調は何だったのか。斎藤雅樹投手総合コーチ(53)に聞いてみた。
「何だったんだろうね。まず考えられるのは疲れ。肩、肘はもちろん、下半身が疲れていると粘りがなくなって、思ったように球が投げられない時がある。まだ(シーズンは)始まったばかりではあるんだけど、菅野の場合、春先のWBCからフル回転した昨年の疲れが今年になって表面化している可能性もある。普通なら菅野クラスには何も言わないんだけど……」
オフに習得した「新球」に関係している疑いもあったという。斎藤コーチが続ける。
「(初戦の後に新球の)シンカーは使わない方がいいんじゃない? とは言いましたよ。(シンカーとは逆に曲がる)カットボールやスライダー、直球にも悪い影響があるっていうでしょう? まあ、実際のところ(因果関係は)分からないんだけど……。(負けた試合は)制球が甘かった。菅野が投げる試合は、相手が甘いところにくると思っていない分、集中力が増して、甘く入ってしまうと打たれやすい。その代わりにフォークを使い始めたり、引き出しがあるから復調したんじゃないかな」
2年連続20勝、11試合連続完投勝利、沢村賞を3度受賞した斎藤コーチの「鶴の一声」で、絶対的エースが本来の姿に戻ったようだ。
なお同日のDeNA戦は延長十二回、0―0の引き分けに終わった。