配球に変化 大谷に3勝目もたらした右ひじに優しい“新魔球”
大谷の平均球速は156キロで、メジャーでは3位にランクされる。これに140キロ台後半のスプリットを投じれば、相手打者を面白いように打ち取れるため、多投したくなる気持ちは理解できるが、「肘への負担を考慮すれば、スライダーを決め球に選択したのは正解です」と前出の三井氏。
「スプリットを多投すると、握力が弱くなり、それを補おうと肘に余計な力が加わるため、それが靱帯を痛める原因とされています。開幕から1カ月でスプリットを減らし、スライダーやカーブを増やしたのは賢明な選択だと思います。日本ハム時代がそうだったように、大谷の生命線はスライダーです。そのスライダーがメジャーでも十分に通用することが証明できただけに、今後は投球の幅が広がるはずです。大谷はこれまで肘の故障に苦しんだ日本人投手と同じ轍は踏まないのではないか」
ただでさえ大谷は、二刀流として難しい調整を強いられている。スライダーを新たな“魔球”とした大谷の投球スタイル変更は吉と出そうだ。