11Kに隠されたアキレス腱 大谷の“160km棒球”が狙われる
■平均を下回るスピンレート
原因はストレートの質にあるといわれる。平均球速の157キロはメジャー平均の149キロを大きく上回るどころかメジャー全体でもトップクラスなのに対し、スピンレート(1分間に換算した回転数)の2183はメジャー平均の2264を下回る。
一般的に回転数の多いストレートほど、打者には浮き上がるように見えるそうだから、大谷のストレートはほとんど動かない、いわゆる棒球ということになる。だから速くても当てられてしまうのだ。
その傾向は日本のプロ野球にいたときと変わらない。大谷は一昨年のCS(対ソフトバンク)で日本記録となる165キロを3球投げ、そのうち2球はバットに当てられてファウルになった。
大谷は160キロを投げても当てられることに関して以前、本紙にこう言っている。
「当てられても構わないといえば構わない。軽打しに、コツコツコツコツくれば、速くても当たるかなと。(打者の)タイミングさえ押し込めていれば、ファウルになるので。それで2ストライクまで追い込めれば、フォークなり、スライダーなり、真っすぐなりで、三振は取れると思う」