まさかの歴史的惨敗…前回王者ドイツの慢心と世代交代失敗
ドイツサッカー協会公認S級コーチの鈴木良平氏が言う。
「初戦、2戦目とドイツらしい<沈着冷静にプレーしながら攻守で圧倒する>戦いができずに韓国戦を迎えた。選手たちには<世界ランク1位の私たちがアジアの57位の相手に負けるわけがない>という慢心もあっただろうし、それと同時に<もし負けたらどうしよう>という恐怖と焦りもあった。そういう精神状態で試合を進める中、ドイツの選手からチャレンジ精神、アイデア豊富な攻撃、攻守の連動性などが失われていった。中盤で回し、サイドに展開して相手ゴール前に放り込むという単調な攻撃に終始し、相手につけ入る隙を与えてしまった。14年W杯後も結果を残してきたが、現ロシアW杯メンバーを見る限り、世代交代がスムーズに進んでいるとは言い難いし、韓国戦に先発した22歳FWウェルナー、23歳MFゴレツカも期待外れに終わり、ドイツにとってショッキングなフィナーレとなりました」
■地元紙は人種問題まで指摘
27日付の南ドイツ新聞(電子版)は、今回の敗因のひとつに人種問題を挙げている。トルコ系移民のMFエジル(29=アーセナル)、同ギュンドガン(27=マンチェスターC)の2人は、国際社会から独裁者と位置付けられるトルコのエルドアン大統領と親密な関係にある。排他的なドイツの多くのサポーターが2人の代表入りを疑問視し、今大会中もギュンドガンに対し激しいブーイングを浴びせた。同紙は世論によって代表チームに亀裂が生じたとみているのだ。
敗因はいくつも挙げられるが、「ドイツは敗退に値する」(レーウ監督)チームだったようだ。