強豪国苦戦続き ロシアW杯で格差是正の法則が働いている
加えて、世界中の優秀な選手は欧州のトップリーグに固まっている。彼らは各国リーグ、欧州リーグで経験を積み、ある意味、均一化している。各国の差が縮まったのは当然のことだろう。
そんな中で、「差」を生み出すのは、チームのフィジカルコンディションと、ごく一握りの突出した異能の選手である。例えば、ポルトガルのC・ロナウド。あるいは、ブラジルのネイマール、アルゼンチンのメッシ。アルゼンチンが瀬戸際で踏みとどまり、ドイツが転落したのは、世界的にはトップの選手が揃っていたにもかかわらず、メッシのように「個」で決めることの出来る選手がいなかったからだ。
そして加えるならば、したたかさである。
アジア代表のオーストラリアは1次リーグ突破を懸けて、すでに敗退が決まっていたペルーと対戦した。オーストラリアは勝利を計算していたはずだ。しかし、ペルーはオーストラリアにボールを持たせたが、得点までは許さない。そして、焦りが見え、隙が出来たところを仕留めた。彼らにはブラジルやアルゼンチンのような爆発的な強さはない。しかし、老獪でしたたかだった。改めて、南米サッカーの足腰の強さを感じる一戦だった。
コンディション、異能の「個」、そしてしたたかさが、今後も勝敗を左右するはずだ。