注目のベルギーvsフランス戦は2人の「監督力」対決に注目
対するベルギーは、決勝T1回戦・日本戦の大逆転劇が大きな転機となり、余勢を駆って準々決勝ではブラジル相手に大金星を挙げた。その原動力となっているのが、複数の戦術を巧みに使い分けるマルティネス監督の采配の妙である。
現役時代にさしたる経歴を持たないマルティネス監督は、指導者になってから頭角を現した変わり種のスペイン人だ。これまでは英プレミアリーグで結果を残せず、ベルギー代表監督になってからも厳しい批判を浴びるなど、デシャン監督とは対照的な立場にあった。
ところが2点をリードされた日本戦の後半に見せた戦術変更が成功したことで手腕自体が覚醒した印象だ。基本の3バック、4バック、逃げ切りを図る時の5バックと戦術のバリエーションはフランスの上を行く。
堅実采配が持ち味のフランスのデシャン監督と勝負師さながらの強気の采配で勢いに乗るベルギーのマルティネス監督。この「監督力」対決がビッグマッチの注目ポイントのひとつである。
(元ワールドサッカーグラフィック編集長・中山淳氏)