苦手な芝で8強入り 錦織を後押しした“組み合わせ”と“気候”
日本人男子では1933年の佐藤次郎以来、85年ぶりの準決勝進出を逃したのが錦織圭(28=世界ランク28位)だ。
11日に行われたウィンブルドンの準々決勝。錦織は元世界ランク1位のジョコビッチ(31=セルビア)に敗れ、これで対ジョコビッチ戦は13連敗となった。
序盤はほぼ互角の打ち合いをしたものの、試合の明暗を分けたのはセットオールで迎えた第3セット、2―2からの第5ゲームだった。
40―0から3回のブレークチャンスを生かせずにこのゲームを落として集中力が途切れたか。その後、ギアを上げたジョコビッチに押し切られた。
錦織はこの日の試合をこう振り返った。
「攻めきることができなかった。ジョコビッチは崩すのが難しい選手。彼のショットで左右に振られ、常に走らされた。プレー内容は悪くなかったけど、やっぱり何かが足りないのだと思う。ただ、芝でいいテニスができたことは自信になる。悔しいけど、次につながる」
本人が認めているように、芝のコートは鬼門だった。グランドスラムで唯一、8強入りのなかったウィンブルドンで壁を破れた大きな要因は、組み合わせと今年の芝の状態にあるのではないか。