昨季3勝から完全復活 ロッテ石川に“飄々淡々”が戻ってきた
改めて、「味のある男だなぁ」と感心した。
先月、交流戦で名古屋にやってきたロッテの石川歩(30)とグラウンドで会った。昨年のWBCで一緒に頂点を目指して戦った間柄だ。私の姿を認めて挨拶に来てくれたので、こちらは「おう」とついつい気安くなるのだが、いろいろと話はすれど、あちらは柳に風、暖簾に腕押し。調子がいいのか悪いのか、機嫌がいいのか悪いのか、飄々としていて腹の内がなかなか見えない。
侍ジャパンのユニホームを着て世界一を目指したとき、彼をエース格として頼ったのはまさにこんな気質に惚れたからだった。WBCでは開幕戦先発の大役を担ってもらった。準決勝で敗れて実現しなかったが、決勝のマウンドも石川に任せるつもりだった。
合宿中や日本での予選ラウンド中、他の代表選手が連れ立って外食に出かけても、宿舎の食堂でひとり、食事をしていることが多かった。群れず、流されず。自分をしっかり持っていた。
■最多勝のチャンスも辞退