ライバル不在も奮起なし…豪栄道と高安は“いるだけ大関”
3横綱1大関が休場した名古屋場所。こんなときこそ、残った大関陣が奮起すべきだが、この2人にそんな自覚があるのかどうか。
16日はともに薄氷の勝利を手にした大関豪栄道と高安。高安は決まり手こそ突き落としも、内容は“自滅幇助”といったありさまだった。土俵際で体を入れ替えた際、バランスを崩して土俵外に出る玉鷲の腰を軽く押したに過ぎない。結びの一番を取った豪栄道も輝を攻めきれず、結局は土俵際で逆転の上手投げだった。
今場所は御嶽海が初日から9連勝の快進撃を続けている。1敗の朝乃山が続き、2敗の高安、遠藤、栃煌山と、ここでようやく大関の名前が出てくる。豪栄道に至っては、すでに3敗だ。
大関は地位の頂点でなくとも重要な看板であるが、この2人を見る限り、そんな意識は見受けられない。
勝った相撲も内容が悪く、いずれもカド番。高安は今場所が2度目、豪栄道はすでに7度目だ。
1999年の春場所は貴乃花、若乃花、曙の3横綱が全員休場し、大関の千代大海までも離脱という今場所同様の異常事態に陥った。ここで意地を見せたのが武蔵丸、貴ノ浪の両大関だ。千秋楽は12勝2敗同士の相星対決となり、これを制した武蔵丸は翌場所の綱とりにつなげた。