鈴木良平氏が異論 「代表監督は日本人に限る」風潮は尚早
そこでひとりのドイツ人監督を紹介したい。一部報道でも名前の挙がったビンフリート・シェーファー(68)である。
1986年に独1部カールスルーエの監督に就任。01年にカメルーン代表監督に就任、02年アフリカ選手権優勝。同年の日韓W杯にカメルーンを率いて出場した。その後はUAEのクラブ、タイ代表監督、アゼルバイジャンのクラブで采配を振り、13年にジャマイカの代表監督に就任。15年北中米・カリブ海連盟杯決勝に同国を初めて進め、世界をアッと言わせた。
経歴を見るだけで一目瞭然だろう。彼は母国ドイツを皮切りにアフリカに渡り、それから東南アジア、西アジア、そして北中米で大陸選手権、W杯の予選などを戦って本大会出場を成し遂げた。
世界中のサッカー最前線で戦ってきたシェーファーの「引き出し」の中には、日本サッカーが世界レべルに近づくための方策が、ギッシリ詰まっていると確信している。
どうしても彼を次期日本代表監督に就任させるべき――と言っているのではない。世界には有能な外国人指導者が多く存在し、日本のサッカーにフィットする人材も少なくないはず。発掘の労を惜しんで「日本人指導者で大丈夫」と言い切るのは時期尚早ではないか。
ドイツへの留学経験があり、今もドイツサッカーとのコネクションを持っている田嶋会長は「ドイツ人と日本人との親和性」を肌で感じているはず。次期代表監督選びの際は、ドイツを含めて世界に目を向けるべきだ。