3敗でも“金”&箱モノ行政に利用…東京五輪野球に価値は?
そんな野球のために日本野球界は目の色を変えて動いている。五輪期間中のプロ野球のシーズン中断だけでなく、夏の甲子園大会も社会人の都市対抗も、開幕時期の変更を検討している。
開催地の横浜スタジアムを本拠地とするDeNAはもちろん、新国立に隣接し、資材置き場などで使用されるヤクルトの本拠地・神宮球場の借用期間はこの日、7月6日から9月13日の70日間にも及ぶことが明らかに。ヤクルトは東京ドームなどで試合を開催するべく調整を強いられている。
■プロもアマも対応苦慮
日本ハムはもっと大変だ。本拠地の札幌ドームはサッカー会場として使用され、大会組織委から3カ月間もの借用を要請された。竹田球団社長は「3週間程度に抑えてもらいたい」とコメントしたが、東京ドームを本拠地とする巨人、甲子園を本拠地とする阪神なども影響は避けられない。
日本野球界は総力をあげ、野球開催を支えようとしている。それなのに、こんな大会方式を導入する大会組織委はいったいどういう見識なのか。
導入経緯を見ると、非常に消極的な決着だったのは明らかだ。WBSC(世界野球ソフトボール連盟)は当初、6カ国総当たりの全19試合を提案したが、大会組織委は経費増大や消化試合の発生を懸念し、全10試合での開催を主張していたという。