来季メジャー挑戦濃厚の西武・菊池雄星はメンタルに瑕疵
■スカウトの存在価値
前出のスコアラーが言うには、ソフトバンク戦での菊池は必要以上に慎重になり過ぎ、投げるテンポが悪くなる。本来は菊池のリズムに打者が合わせるのに、打者が主導権を握って自分たちのタイミングでスイングしているそうだ。菊池は要するに気持ちが弱いのだ。
左腕から160キロ近いストレートと、キレのいい140キロ台のスライダーを投げる。毎年、2ケタを勝つだけのポテンシャルをもちながら、プロ9年間で67勝(44敗)しかしていない。フロントはデータを見てクビをかしげているらしいが、原因は数字では測れない性格面にある。
メジャーも性格は重視する。だからこそデータ全盛の昨今も、スカウトの存在価値がある。性格の瑕疵がチームの和を乱す類いのものであればともかく、菊池のキズはそうではない。何かのきっかけで改善される余地があるし、わたしはむしろ気が弱いのに16勝したポテンシャルの高さを評価する。精神的にひと皮むければ、メジャーでもとんでもない投手になる可能性を秘めていると思うのだ。
(メジャーリーグ覆面スカウト)