指紋と虹彩で本人確認 大リーグから「入場券」が消える日
7月12日、大リーグ機構は生体認証技術を提供するクリアと提携し、紙の代わりに生体認証を用いて入場券を発行する取り組みを試験的に実施すると発表した。
クリアは、米国内の空港に生体認証によって乗客の身元を確認する技術を提供している企業だ。クリアの技術では指紋と虹彩(目の角膜と水晶体の間にある薄い膜)が本人を確認するために用いられており、クリアに会員登録をした米国市民や永住権保持者であれば、空港内に設置された専用端末に指を滑らせるか、まばたきをすることで米国運輸保安局の係員による身分証や搭乗券の確認を受けることなく、身元検査を終えることができる。
これまで、クリアは生体認証技術を中心に事業を展開しており、登録会員の本人確認は可能なものの、実際に入場券を発券するという技術は持っていなかった。一方、大リーグは、傘下に大リーグ23球団の発券事業を請け負っている入場券発行会社チケッツ・ドットコムを抱えている。
今回の大リーグとクリアの提携の勘所は、クリアの生体認証技術とチケッツ・ドットコムの発券技術を融合させ、クリアの登録者が大リーグの公式サイトMLB.comのアカウントを連携させれば、指紋認証のみで球場に入れるという点にある。