地元は必死に寄付金集め 金足農“想定外”快進撃の舞台側
さる金足農野球部OBは「支出が当初の想定を超えている実情があります」と、こう続ける。
「監督やベンチ入り選手の交通費、宿泊費は主催者が負担してくれますが、生徒や吹奏楽の応援団の費用は寄付金で賄わないといけない。たとえば初戦はバス13台で生徒、教員ら400人以上が、片道13時間をかけて応援に駆け付け、試合が終わるとそのまま日帰りで帰省した。その移動費だけで、1500万円程度必要でした。11年前は約700万円だったバス代がここ10年、貸し切りツアーバスの事故が多発して法例が改正され、料金が高騰したことが影響しています」
ただでさえ悲鳴を上げているところにもってきて、想定外の快進撃だ。
17日の横浜との3回戦以降、応援団の宿泊代は数社の旅行会社を入札方式で選定し、極力抑えたという。しかも、一部を生徒が負担する形にしたが、それでも費用はバカにならない。現在、現地には約250人が滞在していて、生徒1人につき1泊当たり5000円とすると、準決勝の20日までの3泊分の宿泊代だけで375万円に上る。高校野球に詳しいスポーツライターの田尻賢誉氏が言う。