体操協会が手のひら返し “強権”塚原夫妻「2度目の不信任」
背景にあったのが、山根明日本ボクシング連盟前会長の「奈良判定」も真っ青の「塚原判定」だった。当時の女子体操は光男氏が競技委員長に君臨し、千恵子氏がナショナル強化部長を務めるという現在と同様の塚原支配体制が築かれていた。
山形で行われたこの全日本選手権では、全審判が朝日生命OBで構成され、案の定、初日の規定演技の採点で明らかに2人が率いる朝日生命所属の選手に有利な点数が出ている、と出場チームの指導者から疑念と非難が殺到した。協会に「協会女子競技本部から派遣された主任審判員4人を外すこと」を求める要望書が提出される事態に発展し、結局、2日目の演技を計48選手がボイコットしたのだ。
混乱の責任をとって、光男氏が女子競技委員長を辞任。千恵子氏は「夫の辞任に納得がいかない」と訴えたが、同調する声はほとんど上がらず、夫妻の独裁体制に体操関係者の不満が鬱積していたことが露呈された。
約30年の時を経て、塚原夫妻に突きつけられた2度目の不信任。さすがに協会もかばい切れないということだろう。