手痛い3敗目…御嶽海の大関昇進は“ノルマ11勝”でも厳しく
「あーーっ!」
花道から東の支度部屋に続く通路に、御嶽海(25)の絶叫が響いた。
9日目の相手は横綱白鵬。立ち合いの攻防で左上手を取り、一度は優位に進めたものの、攻めきれない。土俵中央で棒立ちになった白鵬に頭をつけ、両者、岩のように動かず、時間だけが経っていった。しかし、先に動いた白鵬に上手を切られると万事休す。下手出し投げで体勢を崩され、寄り切られて3敗目。1分以上の長い長い相撲だった。
この敗戦がよほど悔しかったのだろう。御嶽海は通路で叫ぶと、支度部屋では報道陣に背を向け、一言もしゃべらなかった。
御嶽海は初優勝を果たした先場所は13勝2敗。5月場所は9勝6敗。大関昇進は三役で3場所33勝が目安になるので、今場所の昇進ノルマは11勝となる。が、目安はあくまで目安だ。
先場所は3横綱が全員休場し、大関も栃ノ心が途中休場。結局、御嶽海が対戦した上位陣は、大関の豪栄道と高安だけだった。その2人に1勝1敗では、いくら優勝でもその価値は半減。審判部長の阿武松親方も、「(7月場所は)横綱が出ていない。(9月場所は)内容が加味される」と、話している。つまり、横綱大関陣に勝てないようでは、いくら11勝以上したところで昇進を見送られかねないのだ。