西武・菊池雄星が日本以上にメジャーで活躍できる根拠
17日のソフトバンク戦で5回6失点と打ち込まれた菊池雄星の投球を、ネット裏のスカウトはどう見ただろうか。
わたしは米国にいて直接、見ることはできなかったが、当日はヤンキース、レッドソックス、ドジャース、ジャイアンツ、フィリーズなどがチェックしていたという。この日の投球によって彼らが菊池に対する評価を下げたとしたら、こんなにラッキーなことはない。
そもそも今季は良かったり悪かったりの繰り返し。投球内容にはムラがあった。ただ、我々が評価するのは、その潜在能力だ。左腕から160キロ近い速球を繰り出し、キレのよいスライダーを操る投手は、メジャーにもそうはいない。
視察に訪れているメジャー球団のスカウトも菊池のポテンシャルを高く評価しているに違いないが、わたしが彼を買っているのはその潜在能力が米国で開花する、つまり日本よりメジャーの方が活躍できると思っているからだ。
■左腕投手のメリットと本人の強い意志
石井一久がドジャースの3年間で36勝、岡島秀樹がレッドソックスでワールドシリーズ制覇に貢献したのは、彼らが左腕だったことが大きい。コツコツと当ててくるタイプの打者が多い日本と比べ、メジャーの打者のほとんどが振り回してくるのも菊池にとってはプラスと見ている。