WTA最終戦は黒星発進 大坂なおみ“パワーと勢い”の限界露呈
セリーナ・ウィリアムズから、大坂なおみの時代になるのかどうか。世界の実力者たちがそれを阻止するのか。
そんな来季の女子テニス界の勢力図を占う意味でも重要な女子テニス最終戦、WTAファイナルで大坂なおみ(21=世界ランク4位)がいきなりつまずいた。
22日の対スティーブンス(25、米国=世界ランク6位)戦。昨年の全米オープン覇者、頭脳的なプレーでうまさを持ち合わせたスティーブンスに対し、大坂は時速200キロ近いサーブを繰り出すパワーと今年の全米を制した勢いで挑んだものの、5―7、6―4、1―6で敗戦。中でも3セット目は凡ミスを連発、集中力もプツンと切れたように見えた。スポーツライターの武田薫氏がこう言った。
「大坂はここまで、パワーと勢いで押し切ってきた。3月に4大大会に次ぐ位置付けのインディアンウェルズ・マスターズを制し、全米オープンはセリーナ・ウィリアムズに勝って優勝した。世界のトップクラスの選手たちが、大坂のテニスをじっくり研究する時間がないまま頂点に立った。けれども、これからは受けて立つ立場です。スティーブンスはもちろん、今回のファイナルに出場している大坂以外の選手はいずれも、パワーよりうまさを備えている。トップクラスのテクニックをもつベテランたちが、大坂のパワーと勢いを何とか止めようと目の色を変えている。大坂はそんなベテランのうまさに屈したということです」