レスリング川井梨紗子が世界連覇 “栄ロス”から完全脱却
レスリングの世界選手権(ブダペスト)は23日(日本時間24日未明)、女子59キロ級決勝を行い、リオ五輪63キロ級金メダルの川井梨紗子(23)が、今年の欧州選手権を制したエリフジャレ・エシリルマク(トルコ)を8―0で下し、連覇(17年パリ大会は60キロ級)を達成した。
絶対女王の吉田沙保里らが第一線から遠ざかる中、女子のエースとして出場した今年8月のアジア大会(ジャカルタ)では準決勝で敗れ、まさかの3位に終わった。今年4月には、高校時代から指導を受けてきた栄和人氏が日本協会強化本部長を辞任。6月には、至学館大の監督も解任された。川井を筆頭に女子代表に名を連ねる至学館大勢(OG含む)は、精神的に落ち込み、一時は練習に身が入らないなど、「栄ロス」に陥った。20年東京五輪に向けて、栄依存からの脱却が課題とされる中、川井は世界選手権連覇で独り立ちに成功した。
一皮むけた中量級女王に対しては、実戦復帰したばかりの伊調馨(34)が危機感を抱いているという。先の全日本女子オープン選手権で優勝し、12月の全日本選手権の出場権を得た伊調にとって川井が最大のライバルとなるからだ。