日本シリーズ裏で敗者がキャンプ開始 大事なのは春より秋
日本シリーズの裏で、敗者たちの戦いが始まっている。新監督を迎えた巨人と阪神も秋季キャンプをスタート。どちらも、多くの試合を組んで実戦中心の内容になるそうだが、秋のキャンプはまさに「戦い」だ。長い指導者人生、私は「この時季の練習が、最も大事だ」と、徹底的に選手を鍛えた。
思い出すのが、横浜の監督に就任した直後の1997年の秋。選手には事前に「ガンガンやる。覚悟しておけ。ただし、3勤1休でしっかり休みもやる。ゴルフバッグを忘れるな」と伝えてあった。「えっ、ゴルフはOKなんですか?」と驚く選手もいたが、いざ練習を始めると、すぐにゴルフなんてとんでもない、という雰囲気になった。
投手陣にはイヤというほど走り込ませた。投げ過ぎて潰れたヤツはいても、走り過ぎて潰れたヤツはいない、が持論。中でも、選手が悲鳴を上げたのが、50メートルのインターバル走だった。全力で走らせた1本目のタイムをその選手のベストタイムとし、プラス0・3秒までが合格。30本クリアするまで、延々とダッシュを繰り返すのだ。0・1秒でも遅れたら不合格。20本目あたりから、誰も口をきかなくなった。