オリ1位・太田椋 父から受け継いだ選球眼と一流選手の長所
「太田(暁さん)は線が細く、近鉄の首脳陣から『(鳥)ガラ』などと呼ばれていましたけど、息子の方が体は大きいし、体力もあるように思いますね」(中村監督)
手だれのベテランスカウトによれば「野手にとっての選球眼は足や肩と同じくらい重要。例えばベースの手前でワンバウンドするボールに手を出す選手は、プロで鍛えようと、まず直らない」そうだ。椋はつまり、野手にとって何より重要な要素を父親から受け継いだことになる。
大阪府羽曳野市内の4LDKの一戸建てに、暁さん、暁さんの保育園からの同級生で近所でパートをする母の綾子さん(47)、大学生の兄(20)、次男の太田、妹(10)の5人で暮らす。
太田が軟式の少年野球チームに入ったのは小学3年生のとき。中学に入るとダルビッシュ(現カブス)も所属した羽曳野ボーイズへ。高校は奈良の天理へ進学し、昨夏は2年生ながら3番・遊撃手としてチームのベスト4進出に貢献した。
暁さんは96年に現役引退後、近鉄の用具係に。その後、オリックスでは打撃投手を務め、現在に至る。