雄星がサイ・ヤング賞“大穴”に…本当の評価と西武OBの不安
■三井浩二氏は「適応力や修正能力に疑問」
だとすれば左肩に不安を抱える菊池のこと。25試合に先発、計160回を投げて10勝どころか、シーズン中の故障離脱まであるのではないか。
「われわれは左腕から150キロ台後半の速球を投げる菊池の潜在能力を評価して獲得に動いたわけで、1年目からいきなり2ケタ勝つなんて思っていない」と、実際に菊池争奪戦に加わったある球団のスカウトはこう続ける。
「彼は高校時代からメジャー志向が強い。なので念願がかなったことで気持ちも充実、アバウトな制球や脆弱な精神面が好転する可能性はある。それにしても2年や3年はかかるだろうが……」
そもそも、菊池は適応力が高いとは言えず、神経も繊細。高校時代から高い素質を評価されながら、2ケタ勝利は入団7年目の2016年(12勝7敗、防御率2・58)が初めてだった。
西武入団直後から自己啓発セミナーにハマり、「怪しげなセンセーの言うことは聞くのに、ウチらの話は聞いてくれない」と、当時のコーチ陣を嘆かせたように、理論や理屈に傾倒しやすい側面もある。