雄星がサイ・ヤング賞“大穴”に…本当の評価と西武OBの不安
西武OBでメジャー中継の解説も務める三井浩二氏(評論家)は、「修正能力が高ければ期待できると言いたいところですが……」と、こう続ける。
「菊池はこれまで年間通じて、同じフォームで投げたことはないのではないか。それくらい、シーズン中にフォームのマイナーチェンジを繰り返しています。細かいことが気になる性格なのでしょうが、それでいて修正能力は高くはない。そこが心配です。中6日で投げていた日本ならフォームについてじっくり考える時間もあるし、次の登板まで2回はブルペンに入ってフォームをチェックできます。しかし、米国では基本的に中4日、あるいは5日。登板間のブルペン入りは1回が限度でしょう。しかもメジャーでは『肩は消耗品』という考え方なので、日本のようにブルペンで投げ込めるわけではない」
西武で女房役だった炭谷(現巨人)は、かつて本紙の取材に「菊池は調子が悪いとフォームをいじる傾向がある。調子のいい時はフォームも一貫しているけど、勝っても不調だと落ち着かなくなる」と話していた。14勝したプロ9年目の昨季ですら、フォームをコロコロ変えていた。入団1年目の左肩負傷は、「プロ用のフォームをつくる」と意気込んだ揚げ句のケガだった。