オリドラ1位太田椋 全治3カ月の骨折より心配な“トラウマ”
心も折れてしまうのか。
8日、教育リーグのソフトバンク戦に出場したオリックスのドラフト1位、太田椋(18=天理)。悲劇は三回に起きた。先発のマウンドに上がった千賀滉大(26)のツーシームが右手付近に直撃。激痛に顔を歪め、スタッフに支えられながら、病院へ直行した。
診断結果は「右尺骨骨幹部骨折」。全治約3カ月の重傷で、前半戦での復帰は絶望的となった。
春季キャンプこそ二軍だったが、6日の教育リーグ中日戦では4打数3安打1得点の活躍。実戦に入って打撃を猛アピールしていた。首脳陣の期待と評価が高まり、9日の巨人とのオープン戦で“一軍デビュー”が予定されていた直後の大ケガだ。
新人の右手をえぐった千賀は投げた直後に「ごめん!」と大声で叫んだが、太田は周囲に吐き気を訴えていたという。今後、ケガの治癒以上に心配されるのが、球界を代表する右腕の剛速球をぶつけられた18歳が心に負った恐怖心とトラウマだ。
昨オフ、オリックスは金子弌大、西勇輝といったエース級が抜け、ベテランの中島宏之も退団。次々にチームの顔が去っていく中、太田は同チームで打撃投手を務める父との「親子鷹」という話題性もある期待の星だった。
千賀の剛球は、球団にとっても痛い1球となった。