今季初メダルなし…紀平梨花は“鬼門”SP克服が五輪への宿題
今季初の“土”となった。
22日、世界フィギュアの女子フリー(FS)が行われ、総合4位に終わった紀平梨花(16)。7位に甘んじたショート(SP)とFSのトリプルアクセル転倒が影響し、今季初めて表彰台に届かなかった。
昨年9月から国際大会では負けなしの6連勝中(全日本は2位)だったが、“薄氷”の戦いが多かった。原因は「鬼門」といわれてきたSPの出遅れだ。今季、SP終了時に首位だったのは2大会だけ。NHK杯、四大陸選手権は5位からの逆転優勝だった。
その粘りが「逆転の紀平」といわれるゆえんだが、背景にはロシア勢の不参加やライバルたちの失敗もあった。実際、NHK杯、四大陸のいずれも、今大会で優勝したザギトワ、3位だったメドべージェワ(ともにロシア)は不出場。2位だったトゥルシンバエワ(カザフスタン)のように、大舞台で4回転を決める選手たちの台頭も時間の問題だろう。
紀平は「目標はもっと高いところにある。ここで満足せず、(2022年の北京)五輪までいきたい」と前を向いたが、弱点であるSPの克服なしに、五輪での頂点は困難。あと3年間で鬼門をくぐり抜けられるか。