巨人セ首位固めの裏で着々と進む 阿部慎之助の“入閣準備”
2月のキャンプ中、原監督(60)は評論家の山崎裕之氏に対し、「指導者を育てたい」と4年ぶりに復帰した使命を口にすると、自らOBの松井秀喜(44)、前監督の高橋由伸(44)、ベテラン阿部慎之助(40)の名前を挙げ、「彼らに巨人の伝統、指導を継承してもらわなければいけない」と話したという。2015年まで指揮を執った第2次政権の終盤にも「松井も由伸も慎之助も将来の幹部候補生には違いない。可能性がある人間に巨人の監督はどうあるべきか、それを伝えていくのが自分の役割だ」と言っていた。
とはいえ、松井はヤンキースのGM付特別アドバイザーとしてニューヨークを拠点とし、監督を継承した高橋は3年連続V逸の屈辱とともにチームを離れた。原監督に帝王学なるものがあるのなら、現実問題として、今それを伝授するのは、阿部しかいない。
「今季、原監督に直訴してまで望んだ4年ぶりの捕手復帰が体調の問題で頓挫し、慎之助もいよいよ次のステップを意識せざるを得なくなった。代打の切り札として、さすがの打棒を見せているものの(6打数4安打の打率.667)、もし来季も現役を続けることになっても、兼任コーチが濃厚です。現役を引退するのであれば、原監督自身がそうだったように、野手総合担当からヘッドコーチというレールが用意されるのではないか。今季、ヘッドコーチが空席なのは、原監督が慎之助のために空けている、とチーム内ではみられています」(チーム関係者)
7―2でヤクルトを下した24日の試合中、出番のなかった阿部は先発した新人左腕の高橋優貴がベンチに戻ると、横に座らせては耳元でアドバイスするシーンが何度も見られた。チームが首位を快走し始めたウラで、ポスト原の指導者修業も着々と進んでいるようだ。