F・トーレスはなぜ鳥栖を選んだのか 自伝の著者が明かす
「日本人はもっと怒りを表に出すべき」
――自分の感じたこと、思ったことを口にすることがプラスになると判断した場合、ハッキリと物申すタイプであることも分かった。
「これも本書に詳しくありますが、彼は日本サッカーに<違和感>を覚えたことがいくつかあります。それは<試合に出ていない選手が楽しそうに練習をしている><試合に負けてもプレッシャーを感じていない><降格圏にいても険悪な雰囲気が漂わない>ことなどです。これに戸惑ったトーレスは『そこにネガティブさを感じてしまう。日本人はもっと怒りを表に出し、感じたことを全部吐き出すべきでは。試合に負けてボクはカンカンに怒っている。なのに選手は落ち着いている。負けたときと勝ったときが同じではいけない』と話してくれました」
――ひとたびピッチを離れるとトーレスは静寂を好み、非常に落ち着いたタイプの人物だ。
「トーレスは日本文化に強い関心を抱き、仏教と神道について知識を得てから来日しました。実際に多くの寺院を訪れ、散策しています。本書は鳥栖ファン、トーレスファン以外の人にも読んでほしい。驚きや葛藤を経験しつつ、積極的に新しいものを学ぼうとしているトーレスに<触れていただきたい>と思います」