巨人・岡本和真が語り尽くした 「第89代4番」に座る重み
4年目の昨季、史上最年少で打率3割、30本塁打、100打点をマークした巨人の岡本和真内野手(22)が日刊ゲンダイの単独インタビューに応じた。昨季は「右手(親指)の骨が欠けていた」のにチームでただひとり全試合出場。昨年6月から「第89代4番」に座る重みや、4番打者像、巨人が「令和」も盟主であるためにはどうあるべきか。いよいよ来年に迫った東京五輪、今まであまり語らなかった夫人への思い、最終目標としてメジャー挑戦はあるのか。新時代の球界を引っ張る若き主砲の本音に迫った。
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■阪神ファンで「阿部さんまた打つんか!」
――昨年の6月から巨人の「第89代4番」を張り続ける。重圧はあるか?
「僕自身はそこまで気にしていないんですけど、それだけ多くの偉大な先輩方が4番を打ってきたという数でもあります。でも、何番でも走者をかえすとか自分がやるべきことは変わらない。だから、そこまでは気にしていません」
――「4番」といえば誰を思い浮かべる?
「やっぱり松井秀喜さんとか阿部(慎之助)さんですね。阿部さんのイメージが一番強い。僕は(関西・奈良出身)阪神を応援していたので、その時は巨人の4番に阿部さんがいて、『また打つんか!』みたいな。チャンスにめちゃくちゃ強いイメージです」
――阿部が理想の4番像?
「そうですね。ここっていう時に打っている印象が強いですよね。試合を決めるというか、そういう時に打っているイメージがあります」
――「令和」の新時代も盟主であるために、巨人はどうあるべきだと思うか?
「やっぱり(先輩たちが)リーグ優勝して日本一になって、そういう地位を築いて盟主といわれるようになった。新しい時代になっても、先頭を走っていけるようなチームでありたいと思います」
■「指の骨が欠けていたけど出られました」
――昨年9月(14日のDeNA戦でパットンから)右手親指へ死球を受けたが、チームでただひとり全143試合に先発出場。実は「骨折していた」との情報もある。本当に折れていたのに出続けた?
「骨折というか指の骨が欠けていたんです。まあ、今さら言うことでもないですし、自分がプレーできると思ったらできるので」
――普通、それを骨折と言う。プレーもできないと思うが……。
「少々のケガで(ベンチに)下がってしまったり、試合に出なかったり、そこでやめてしまったら、レギュラーはつかめない。その中で僕は20打席も打てなかったので(21打席無安打)、そこはチームに申し訳ないと思っています。そういう状態でも結果を出し続けていける選手になりたい」
――昔から痛みには強い?
「大きなケガはしたことがなかったんです。中学、高校までは練習が嫌でよく仮病を使っていました。特にケガに強くはなかったですね。ちょっと痛かったら『痛い』って言って休もう! みたいな感じでした」
――それが変わったのはプロ、4番の自覚?
「巨人に入って、ケガをして痛みに耐えながら試合に出る先輩方を見てきた。加藤健さん(OB)に『ケガで休むのは恥ずかしいことだ』と言われて。痛くても絶対休まんとこ、と思って。そこからですね。カトケンさんは痛みに強くて、トレーナールームで『休んだらチャンスを逃すからな』とよく言われていました」