ソフトBがメジャー1巡目指名19歳獲り 米有望株なぜ日本へ
「カネが大きいのではないか」と、スポーツライターの友成那智氏はこう言った。
「メジャーのドラフトの1巡目後半で指名された場合の契約金は1億8000万~1億9000万円程度です。19歳でメジャー入りした場合、3年間はマイナーでしょうし、メジャーに昇格してからも年俸調停の権利を手にするまでの3年間は、最低保障の約6000万円でプレーしなければなりません。つまり6年間で手にする金額は4億円くらいです。金銭面だけを考慮すれば、日本の球団が6年総額10億円くらいで獲得できるのではないか。日本で実績を残せば、6年後にはメジャーと大型契約を結べる可能性もありますから」
■菊池雄星の成功例も参考に
くしくもボラス氏は菊池雄星(現マリナーズ)の代理人でもある。菊池は花巻東高から直接、メジャーに挑戦しようとしたものの断念。プロ野球で実績を作ってから、オフに4年総額約60億円でマリナーズ入り。いまやゴンザレスと並ぶエース格として働いている。
「菊池の成功例も参考にしたと思う。日本のプロ野球は投手育成に実績があるし、先発投手の登板も週に1回でメジャーと比べて故障の心配がない。ボラスは若いうちに日本で鍛えるメリットを選択したのかもしれません」(友成氏)
ともあれ、メジャーで1巡目指名を受けた逸材を日本球界が獲得できるとすれば、今後も“横取り”に拍車がかかるだろうし、日米球界の間に波紋が生じるのは想像に難くない。