好調楽天のキーマンは石井GM “野村式”危機管理ようやく効果
4連勝で首位も視界に捉えた。
昨季最下位だった楽天がここまで2位と健闘。岸と則本のエース2本柱が不在の中、首位ソフトバンクを1ゲーム差と追い上げてきた。好調なチームの鍵を握るのが、石井一久GM(45)である。
185センチ・100キロの大きな体がグラウンドに立てば、現役選手と遜色ない存在感を放つ。球場ではベンチ、グラウンド、ミーティングルームを行ったり来たり。おっとりした雰囲気に似つかわしくない俊敏さもある。
そのフットワークの軽さは、選手たちとの密なコミュニケーションにも表れている。楽天へ移籍して8年目の藤田一也(36)はこう言う。
「すごい人だと思う。どういう役割として僕を見ているのか、契約更改やキャンプで直接ハッキリと言ってくれて、こちらがどうすればいいのかを示してくれる。(試合の)途中で出ていくこともあるし、複数のポジションをやることもある。そういう自分の立場を理解して話をしてくれる」
注目すべきは、こういったやりとりが“ただの”コミュニケーションではないということ。藤田はスタメンの当落線上にいる「準レギュラー」。現場の采配によって、起用法はスタメン、終盤での代打、守備要員などさまざま。出番がないこともある。守る位置も遊撃、三塁、二塁と複数。これは、故障者や不調の選手が出たときに現場が柔軟な対応を取れるよう、石井GMが行った「環境整備」だ。