好調楽天のキーマンは石井GM “野村式”危機管理ようやく効果
投手陣の整備も編成の重要な仕事。石井GMは「今の野球におけるチームづくりはリリーフから」という信念を持つ。先発はあくまで「最初に登板する投手」で、完投や完封にこだわらず、中継ぎ陣がバランス良くつないでいく方が一部の投手に負担が偏らない。先発投手が序盤に崩れる最悪の事態になっても、リリーフの選択肢が多ければ、打線はリーグトップのチーム打率を誇るだけに、ゲームをひっくり返すこともできる。
「リスク管理」は、かつての師匠で元楽天監督の野村克也氏の持論と重なる。野村氏はあらゆる状況を考え、準備し、ベストまたはベターな策を瞬時に判断。それが時に大胆な奇策となる。「監督の最大の仕事は危機管理。監督だけでなく、すべてのリーダーに必要不可欠」と説く。石井GMは新人時代から7年間、ヤクルトで野村氏の背中を見てきた。編成責任者となった今、その教えが生きているようだ。