大船渡は甲子園へ佐々木どう起用 元横浜高の名参謀が語る
が、可能性はゼロではない。本人が言う「6割の力」でも常時140キロ台が出る。この日の無四球に表れるように、変化球も含めた制球力も大きな武器だ。最速は163キロでも、自身が納得できるのは「捕手の構えたところに投げられた球」と言う。速球派にありがちなコントロールから崩れるタイプではない。たとえ盛岡大付や花巻東でも、万全な状態の佐々木を打ち崩すのは容易ではない。このエースをどう生かせば、甲子園行きの可能性は高くなるのか。
■できるだけ少ないイニング数で
松坂(中日)や涌井(ロッテ)ら数多くの教え子をプロ野球選手に育てた横浜高の元部長・小倉清一郎氏がこう言う。
「投球フォームがいいから、狙ったところに球が行きやすい。岩手は決勝まで6試合。大船渡のチーム力を考えた場合、少なく見積もっても、佐々木が全部で35~36イニングは投げないと甲子園には届かない。この日が2回だから、あと5試合で34イニングを投げる必要がある。準決勝、決勝はそれぞれ完投で18回を想定しなければならない。残るは準々決勝を含む3試合で16イニングということになる。できるだけ少ないイニング数で準決勝まで勝ち上がるのに越したことはありません」