国学院久我山・尾崎監督に聞く 1日3時間練習の工夫と指導
■自分が変わるしかない
――そう思った契機は?
「自分自身の高校時代を振り返ると、キツイから逃げようとしていたこともあって、取り返したいと思ったりもします。もっと練習して努力していたら、という思いを味わわせたくない。僕自身も制約があることに対してつい、学校に言ってしまうこともありますが(苦笑い)、でも卑屈にならず、自分が変わるしかないですよね。野球部にいるからには甲子園を目指すわけですが、一方で野球の活動ではなく勉強を選んだ時も、その意思は尊重したいです」
――練習は1日2~3時間。練習場はサッカー部と折半で、普段は内野より少し広い程度。その中でどんな工夫を?
「練習場を4つに分け、打撃、バント、守備、盗塁を同時に行うことで、待ち時間の無駄を省ける。あとはこの子たちがやりたいと思うことを磨けるようにすること。66人の部員でAチームが30人。やりたいことはみな別々ということもありますが、学校のカリキュラムをこなしながらだとどうしても、練習にズレが生じます。それぞれがここで磨きたいことを磨いたうえで、全体を合わせる方が効率はいいと思う。今は質を高くしつつ、量も取りたい。何をやるのか生徒に自由に選択させることもいいのかなと思っています。勉強で優先順位をつけて取り組むのと同じ要領です」