国学院久我山・尾崎監督に聞く 1日3時間練習の工夫と指導
「暑い中、いつも応援してくれている吹奏楽部の3年生から、準決勝、決勝にならないと全員が揃わないと伝えられました。準々決勝の早実戦では3分の1ほどが球場へ来ることができなかった。吹奏楽部の子たちには、『(準決勝からの試合会場である)神宮に連れて行く。最終的には甲子園にも来てもらいたい』と伝えました。究極の割り切りです。来ないからダメというのでは、負けるのを覚悟しているのと同じ。全員が揃う日まで負けない、という気持ちを伝えることで、野球部も吹奏楽部もお互いがプラスになるのではないかと」
――なるほど。
「子どもたちが学業と野球のバランスを取ることは、大人が仕事と家庭のバランスを取るようなものではないかと思う。学業が仕事で、家庭の部分が部活動になるのでしょう。僕も妻と3人の子どもがいますが、仕事も家庭もうまくいかないと生きてはいけませんし、家庭がうまくいかないと仕事がダメになったり、仕事がダメでも家庭に助けられることもある。もちろん、子どもたちに大人になれと求めるわけではないが、2つのバランスをうまく取れるようになれば、大人になったときにプラスになるのではないかと思っています」