著者のコラム一覧
永田洋光スポーツライター

出版社勤務を経てフリーになり、1988年度からラグビー記事を中心に執筆活動を続けて現在に至る。2007年「勝つことのみが善である 宿澤広朗全戦全勝の哲学」(ぴあ)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。近著に近著に「明治大学ラグビー部 勇者の100年」(二見書房)などがある。

不可解な続投に二重契約…ラグビー代表監督巡る混乱の歴史

公開日: 更新日:

 2004年、日本代表は秋のヨーロッパ遠征で、前年のW杯で11―32と健闘したスコットランドに8―100と大敗した。

 これに激怒したのが、宿澤広朗だった。宿澤は00年に強化委員長に就任するや、代表選手を所属企業から日本ラグビー協会に、代表活動期間に限って出向させるオープン化を打ち出し、代表選手の実質的なプロ化に道を開いた。

 さらに03年にはトップリーグを発足させ、国内ラグビーの活性化とレベルアップを目指した。それにもかかわらず、W杯が終わり、強化委員長の職を勝田隆に譲った途端に、新しい強化委員長と監督の萩本光威は、前年のW杯に出場した選手をリセットして「若返り」を図った。その結果の惨敗に激怒したのだ。

 遠征後の理事会で宿澤は監督の更迭と、エディー・ジョーンズを念頭に置いた外国人監督起用を強硬に主張。しかし、結果は監督続投に落ち着き、ここから代表監督を巡る混乱が始まる。

 萩本は、代表選手が飲酒の末に暴行事件を起こした不祥事の責任を取って退任。後任にはフランス人のジャン・ピエール・エリサルドが就いたが、エリサルドもまた母国のクラブとの二重契約が発覚。こちらも職を辞し、06年のW杯予選直前という土壇場で、オールブラックスのレジェンド、ジョン・カーワンが新しいHCに就任することが内定した。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    八角理事長が明かした3大関のそれぞれの課題とは? 豊昇龍3敗目で今場所の綱とりほぼ絶望的

  2. 2

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係

  3. 3

    元DeNAバウアーやらかし炎上した不謹慎投稿の中身…たびたびの“舌禍”で日米ともにソッポ?

  4. 4

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    フジテレビ顧問弁護士・菊間千乃氏に何が?「羽鳥慎一モーニングショー」急きょ出演取りやめの波紋

  2. 7

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  3. 8

    菊間千乃は元女子アナ勝ち組No.1! フジテレビ退社→弁護士→4社で社外取締役の波瀾万丈

  4. 9

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  5. 10

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も