“非伝統国”で初開催される今大会を世界中の関係者が注目
9月20日から、ラグビーワールドカップ(W杯)が開幕する。
サッカーW杯、夏の五輪とともに世界3大スポーツイベントに数えられるラグビーW杯だが、日本ではもうひとつ盛り上がりに欠けている。
テレビで流れるCMも、目前に迫ったラグビーW杯より、来年の東京五輪・パラリンピックを盛り上げるものが多く、熱狂的なラグビーファンを除けば関心度は低い。日本代表が出場する試合と、オールブラックスの愛称で知られるニュージーランド代表がらみの試合は一般のスポーツファンの関心も呼んでいるが、日本人にあまり馴染みのないナミビアやジョージア、ウルグアイといったチームの試合にどのくらい観客が集まるかは、ふたを開けてみないとわからない。
2015年に行われた前回のW杯イングランド大会は、チケットが史上最高となる247万枚の売れ行きを記録したが、これは、ラグビーの聖地トゥイッケナム(8万人収容)やサッカーの聖地ウェンブリースタジアム(9万人収容)といった大規模な競技場で試合が行われたからだ。
日本ではこの規模の集客が可能な競技場がない上に、そもそも8万人がラグビーを見るということ自体、一般的にはピンとこないのが現状だ。だから、大会でどの程度の黒字が生まれ、それがどう配分されるかも、まだ明らかになっていない。過去8大会がいずれもラグビー伝統国で行われてきたW杯が、アジアで行われるのも初めてならば、日本のような“非伝統国”で行われることも初めて。つまり、世界中が注目する“テストケース”なのだ。