東京五輪マラソン“最後の1枠”を決めるMGCはこんなに不公平
MGCは残暑の中、ペースメーカーなしでの戦いとなる。当然、時計は関係なく、誰もが1位狙い。少人数での激しい駆け引きが繰り広げられるはずだ。
そこへいくと「MGCファナルチャレンジ」の3レースは気温の低いマラソンシーズン(12月~3月)に開催され、しかもペースメーカー(PM)がつく。例えば女子なら、力のあるPMが派遣設定記録(2時間22分22秒)を切るペースを30キロまで刻んでくれたら、それについていけばチャンスは広がる。
実際、16年の大阪国際女子で福士加代子は、派遣設定記録(2時間22分30秒)を上回る、2時間22分17秒で優勝。この時はPMが、30キロまでの5キロラップを16分35~47秒というハイペースをキープ。福士のリオ五輪代表入りを結果として後押しした。
ちなみに本紙は、大阪国際女子とさいたま国際の大会事務局に「次回のレースはペースメーカーがつかないということはありますか?」と問い合わせたところ、「現在は調整中です。詳細が決まり次第お知らせします」とのことだった。
MGCは代表選考で公平性や透明性を高めるために導入されたもの。3人目の代表が「ファイナルチャレンジ」から選ばたら、波紋を呼ぶかもしれない。