ベネズエラに辛勝 侍J・稲葉監督“裏の努力”に成果あり?
5日にプレミア12の初戦を迎えた侍ジャパン。
28人のメンバー発表直前に複数の辞退者が出た上に、合宿前後にも松井、森原(ともに楽天)、千賀(ソフトバンク)が故障により辞退。侍の核弾頭と位置付けていた秋山(西武)は、カナダとの強化試合で死球を受けてリタイアするなど、アクシデントが続いた。
先日のカナダとの強化試合は1勝1敗。悲願の世界一に暗雲が垂れ込める中、指揮官である稲葉篤紀監督(47)の奮闘ぶりが伝わってきた。
プレミア12での優勝を足掛かりに、来年の東京五輪で金メダルを狙う稲葉監督は、合宿がスタートした際のミーティングで「2009年以降はトップチームで世界一になっていない。このプレミアで世界一を取りにいこう」とゲキを飛ばした。史上初のベスト8入りを果たしたラグビー日本代表にも影響を受け、「国歌をみんなが歌う姿に心を打たれた」と話していた。カナダとの強化試合に続き、この日のベネズエラ戦でも、選手、首脳陣は国旗を見ながら、君が代を歌った。
「稲葉監督は選手に対して親しみを込め、誠也(鈴木)などと下の名前で呼ぶことがある。選手との距離を縮めようと、練習時から積極的に声をかけ、雰囲気づくりに励んでいる。前任の小久保(裕紀)さんを参考にしているのでしょう。小久保さんは指導者経験がなかったこともあり、選手の誕生日までチェックし、ミーティングの話題にするなど、選手と壁をつくらず、コミュニケーションをとりやすいようにした。同じく指導者経験がない稲葉監督は17年WBCで打撃コーチを務めており、小久保さんの姿を間近で見て、そのスタイルに共感していました」(球界OB)