ロッテが順大医学部と提携 データ活用はコーチ陣の腕次第
「怪物」を守れるのか。
千葉ロッテは来年度から順大医学部(順天堂医院、付属浦安病院)と選手の医療サポートで提携する。整形外科や栄養管理、コンディショニングなど、各分野の医師たちがチームドクターとして、選手の血液や唾液検査など年5回のメディカルチェックを行い、けがや体調不良には24時間体制で対応してくれる。
近年のプロ野球選手は、個々の体力に合わせたトレーニングを行い、食生活にも気を使っているが、大学病院が全面的に24時間バックアップしてくれるなら心強いだろう。
■データ活用は腕次第
元陸連専務理事の澤木啓祐氏(現・順大大学院特任教授)は順大陸上競技部監督時代、選手の血液データをトレーニングに生かし、箱根駅伝は4連覇を含む9度の優勝を達成。「プロ野球は国内最高のプロスポーツといっても過言ではない。血液検査に関しては導入が遅すぎるくらいです」と言って、こう続ける。
「例えば、筋肉や腱が炎症すると白血球の量が増える。ハードな運動で筋線維が破壊されるとクレアチンキナーゼ(CK)の値が高くなる。壊れた筋線維は修復することで強い筋肉となる。同じ運動量でもCK値は異なり、修復速度も遅い人と速い人がいる。年に5回程度の検査をしなければ血液特性はつかめない。個々の特性が分かれば適正なトレーニングの質と量を判断できるだけでなく、投手なら登板間隔などに生かせる。故障も少なくなるはずです。ただし、データをどのように活用するかはコーチの腕次第。相応の勉強が必要になります。ちなみに唾液検査では、歯の健康、ホルモンバランス、ストレスなどのチェックが可能です」